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                   「清水公園・花ファンタジア1.花菖蒲」より

 

         総目次

            今までホームページで公開していた1.~4.の小説については、
                     広告で読み辛くなったのでブログで再公開しました。

1.ある初恋のゆくえ         9.閉鎖病棟の懲りない人々
2.直井の肖像           10.詩とエッセイ
3.悲しいイブ           11.メンタルヘルス
4.眼には歯を           12.kiyoiの独り言
5.斎戒沐浴して母を語る      13.音楽と映画
6.祖父に詫びて          14.料理・お店・食器
7.愛犬フラテのこと        15.折々の記
8.きなこのこと          16.日々折々の仏教 


 最近の記事: 1. あの子はどこへ行った
        3. 肉ザーサイ炒め
                4. 病院の外来で会ったステキな人 
        6. 梔子(クチナシ)の思い出



 バッハ:来たれ、異教徒の救い主よ     

                      パイプオルガン:クープマン

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ファンタジー:ペットの夢の国1(再掲:2018-02-07)

人間に本当に愛されたペットが行く、
夢の国がある。
そこは暑くも寒くもなく、
いつも春の陽光が降り注いでいる。




木があり草むらがあり、
そよ風になびいている。
そしてあちこちにクッションやぬいぐるみが
置いてある。

飼い主の元から旅立った動物は、
そこで幸せに暮らしている。





ある日、その夢の国で、
フラテ君ときなこちゃんが出会った。
フラテ君はその持前の、
オープンでフレンドリーな性格で、
尻尾を振りながらきなこちゃんに走り寄った。
きなこちゃんはおかあさん一人にしか
懐かなかった、排他的で気難しい性格から、
全身の毛を逆立てて背を高く丸め、
長い尻尾をおっ立て
太さ3倍にもふくまらせて威嚇した。
それでもフラテ君は尻尾を振りながら
きなこちゃんに言った。
「やあ、君。君は僕の妹なんだよ」
きなこちゃんは警戒しながら言う。
「あたしがあんたの妹?」
「そうだよ。僕には分かるんだ。
君にはお姉ちゃんの匂いがする。
お姉ちゃんのオーラが見える。
僕らの飼い主は同じ人なんだよ」
きなこちゃんは警戒を解きながら言う。
「そう言えばあんたにはおかあさんのオーラが見えるわ」
フラテ君は嬉しそうに言う。
「僕は君よりずっと前に、
お姉ちゃんの家に買われていったんだ。
お姉ちゃんは毎朝僕にハムをくれたんだ。
そして朝晩散歩に連れて行ってくれたんだ」



「ふーん」しばらくして考えるようにきなこちゃんは言う。
「あたしはマンションネコだったから
よく分からないけど、あたしには部屋とベランダだけで
十分だったわ」
「お姉ちゃんが僕を散歩に連れて行ってくれた、
神社の森は、住宅地の中にあるのに、
いつも人っ子一人いなかったんだ。
そこでお姉ちゃんはいつも、
僕を鎖から放してくれたんだ」
「おかあさんらしいわね」
「僕は思いっきりお姉ちゃんの先を、
走ったり、また戻ったり出来たんだ」
「おかあさんもよくかまぼこを投げて、
あたしが走って追っかける遊びを、やってくれたわ」
「僕はお姉ちゃんと7年も一緒に暮らしたんだ。
お姉ちゃんが病気で入院して、
僕は違う飼い主に貰われて行った。
新しい飼い主は優しくて、僕にお肉をくれて、
散歩にも連れて行ってくれたけど・・・
僕の本当のご主人さまはお姉ちゃんだけなんだ」
「あたしは16年、おかあさんと一緒にいたの。
おかあさんは本当に可愛がってくれたわ。
最後にあたしが息を引き取る時、
おかあさんはずっと、きなこちゃん、
ありがとう、ありがとう、ありがとうって
そう言い続けてくれたの」
フラテ君は寂しそうに言った。
「君がちょっぴり、羨ましいな」
きなこちゃんは黙ったままじっとフラテ君をみつめた。



フラテ君は言った。
「ここには飼い主に本当に愛された
動物がいるんだ。そして来世を待っているんだ」
「来世って?」
きなこちゃんが訊ねた。
「それはここの常識だから、
知っとかなきゃいけないよ。
僕らのお姉ちゃんはいつか死ぬんだ」
「死ぬ・・・」
きなこちゃんは驚いた。
「大丈夫だよ。君のおかあさんはいずれ死ぬ。
でもまたどこかの国で人間として
生まれ変わって来るんだ・・・そうしたら、
僕らはまたお姉ちゃんのところへ行けるんだ」
「それ本当?」
「本当だとも。縁ってそういうものなんだよ。
僕らはまたお姉ちゃんと一緒に暮らせるんだ」
きなこはごろごろいいながら言った。
「おかあさんのところへ行くまで、ここにいるのね」
「そうだよ。ここは天国なんだ。
そしてどの子もみんな、来世を信じているんだ」
一緒にクッションで寝たり、
ぬいぐるみを引っ張りっこしたりして、
楽しく暮らすんだ」

そうしてフラテ君ときなこちゃんは
同じクッションにもたれながら、
まどろむのだった。




あの子はどこへ行った (再掲:2020-04-26)

うちのそばに武蔵野線が通っていて、
近くに高架橋がある。
線路の土手には、
人が入れないよう高い金網のネットが張られている。
その高架橋の下に
1匹の野良猫が住みついていた。
もう5年くらい前の話である。

ある冬の寒い日、
私が近所のスーパーに買い物に行く際、
その高架橋の下を通ったら、
「にゃおにゃお」と必死で鳴くネコがいた。
私は言った。
「そう、そう、おなかすいたの」
「にゃおにゃお」
「おなかすいたのね」
私はきなこを飼っていたので、
ネコの匂いがしたのだろう。
帰りにまた高架橋を通ると
その子がまた「にゃおにゃお」いう。
「大丈夫だからね。ごはんあげるからね」
わたしはマンションに帰り、
荷物も片付けないまま、深めのお皿に、
きなこのカリカリを入れて高架橋まで歩いてった。

その子は遠くから私が器を持って歩いて行くのを見ると、
全身を膨らませるほど喜んで、
高架橋脇まで走って行った。
「にゃおにゃお」鳴きながら。
みると線路に張られた金網が、
ネコ1匹通れるくらい穴があいていて、
普段その子は金網の内側にいて身を守っていたらしい。

改めてみて見ると、
その子はシャムの血が混じっていると思われる雑種で、
グレーと黒の毛並みのかわいい子だった。
私は器を金網のそばに置いた。
その子はおなかがすいていただろうに、
すぐには食べず、しばらく私の顔を見上げていた。
ネコは目がいい。
私の顔を危なくない人としてしっかり
認識していたのだろう。
やがてその子ががつがつ食べ始めた。

こんなにおなかをすかせて可哀そうに。
そう思ってうちの我儘なきなこを思った。
きなこは暖かい家でぬくぬく過ごしているのに、
冬の曇った日の寒空でこの子はたった一人で人に餌をもらっている。
哀れでならなかった。
私が撫でても少しも怖がらなかった。
動物は普通、自分に1度でも食べ物をくれた人を、
敵とは思わない。

そんなことが何日か続き、
私はある日、もう一人その子にご飯をあげている人に気づいた。
それは髪の長い若い女の子で、
後ろ姿しか見ていないが、
両手で大事そうにご飯を抱えて高架橋に向かって歩いて行った。
・・・よかった。もう一人いたんだ。

(余談になるが知り合いで、ネコ好きの人がいて、
近所の野良猫にご飯をあげていて
お互いにそれが縁で知り合って、
結婚までしたという若いご夫婦がいる。
おめでたい、微笑ましい話だ。)

そしてある日私は気がついて、
器にお水を入れてもっていってやった。
冬晴れが続いて、側溝もいつも乾いて、
その子の飲む水がないだろうと思ったからだ。
その子は喜んで、餓えたように水を飲んだ。
読者の中で、もし野良ちゃんにご飯をあげている方がいたら、
どうかきれいなお水も与えてあげてほしい。
都会の側溝は乾いていることが多い。
ネコちゃんはおなかもすいているだろうが、
のども渇いている。

そんなことが続いて1カ月ほどたったころだった。
その子が突然姿を消した。
1週間過ぎてもどこにもいなくなった。

病気で死んだのだろうか。
交通事故にでも遭ったのだろうか。
それとも野良猫が増えることを嫌った、
心冷たい人があの子を捕まえて遠くに捨てに行ったのだろうか。
悲しい思いである日その高架橋の前を通ると、
ごはんとお水のお皿が二つ並んで
伏せてあった。
あの若い女の子がやったことだろう。

あの子はどこへ行った。
私は悔やんだ。
いくらきなこお嬢様が我儘で自分勝手だったとしても、
あの子をうちの子として迎え入れてやることはできたはずだ。
どうしてそれくらいしてあげなかったのだろう。
後悔した。
自分を責めた。
黒っぽい毛並みと青い瞳が片時も頭を離れなかった。
可哀そうに。可哀そうに。

あれからもうずいぶん長い時間が過ぎた。
そしてうちのわがままお嬢様、きなこは旅立った。
あの子はあれからどこに行ったのだろう。
今でも私は悔やんでいる。

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肉ザーサイ炒め


 1.用意するもの
   豚肉300グラム、ピーマン(大きめ)5個、細切り竹の子1袋、
   卵黄2個、ザーサイ1瓶。
 2.準備
   豚の肩ロースを細切りにして、醤油、胡椒で味付けをし、
   卵黄2個をいれてよく混ぜる。
   ピーマンと竹の子、ザーサイを千切りにする。
 3.炒め方
   中華なべにサラダオイルを入れて豚肉を焼く。
   豚肉に火が通ったら一度皿の上に取り出す。
   もう1度サラダオイルを入れてピーマンと竹の子とザーサイを炒める。
   野菜に火が通ったら豚肉を戻し醤油を少々、あとは胡椒で味付けする。
     *ザーサイに塩分があるのでしょうゆは控えめにして頂きたいです

    ピーマンが他の物とあって、とても美味しく、
    ピーマンは多い目がいいと思います。

 



    これはご飯によく合うし、ビールのおつまみとしても最高だそうです。

    kiyoiの知っている二つの料理を合体させたものです。      

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あっさりカレー

 肉の脂身を徹底的に避けたカレーです。


     ロース切り落としとかもも切り落としというお肉があります。
    両方とも切り身として売るには形が悪いだけで質に変わりはないのに、
    とても安いです。そして脂身がありません。
    最近その美味しさと便利さに気が付いてそのお肉でカレーを作って     みました。
    たんぱく質が多く、脂肪は少ないです。
    ビックリするほどあっさりサッパリしたカレーになりました。

 
      
    買ってきたサラダです。和風玉ネギドレッシングでいただきました。
   美味しかったですよー。

病院の外来で出会ったステキな人

私が精神科の大病院から今のクリニックに転院してもう5年くらいになるから、
もうだいぶ昔の話となる。
そんなに昔の話でも、私には忘れられない一人の患者さんがいる。

その人は夏でも冬でも、いつも趣味の良いYシャツにネクタイ、
そしてスーツ姿を崩したことのない人であった。
背の高い、恰幅の良い方でどう見ても男性であった。
しかし、受付ではその人のことを「○○ 〇子さん」と呼ぶ。
その人は自然に「はい」と答えて受付に行く。会計もする。
私がいつもその人のことを気にしていたのに、
その人は私に一瞥もくれなかったから、
きっとすでに心から愛し愛される女性がおられたのだと思う。
年のころは48歳くらいであろう
家から遠い病院なので私は時々遅れそうなときに仙人と一緒に車で出かけて、
待合室で小声で話してたりしたから、私を既婚女性と知って、
興味も持たなかったのだろう。
しかし私が見るにおかしなところはなかったし
入院歴もなかったと思う。

たぶんカウンセリングを受けにこられていたのだとおもう

身長は175センチ以上あった
病院は前の古い建物では、玄関で靴を脱いで
スリッパに履き替えなくてはならなかったから
シークレットブーツは役に立たない。

「○○ 〇子さん」。
その名はもう脳裏に焼き付いている
わたしとだけでな、ほかの患者さんと話していることも、1度もなかった。

精神患者とは、一線引ひかれている感じだった。
いつもスーツの上着を脱ぐこともなく、端然としておられて、お仕事をしておられたのだろうが、どんなお仕事か見当もつかない。

仙人は、私がその人に興味を持っていることにさえ、気づかなかった。

きっと美しい奥さんがいらっしゃるのだろう。
彼のことをちゃんと一人の男性として、
心から尊敬し愛してくれる奥さんが。
私は女子高時代に憧れていた人を思い出していた。
彼の奥さんは勇気のある人だ。
二人で肩を寄せ合って、今世の中でLGBTと騒ぎ、認めるような時代のはるか昔から、
彼と彼女は寄り添って生きてきたのだろう。

私は病院を転院してもうその人に会うこともない。
あの人は今でもカウンセリングに通われておられるのだろうか。
そして安定剤を飲んでおられるのだろうか。
受付で名前を呼ぶのを聞かない限り、
誰も彼を女性とは思わない。

世の中には確かにそうした方々がおられる。
愛する人と肩を寄せ合って、時に襲ってくるであろう社会からの風も孤独も、
一緒に乗り越えていく。
その愛情関係は素晴らしい。

もうその人に会うこともなくなって、しんみりと彼を思い出す、
今日この頃である。


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紫陽花の季節:その和歌と俳句

紫陽花の季節

もう昨日早くも関東の露入りです。
例年より11日早いそうです。
カンカン照りより雨の方が好きなkiyoiはそう露が嫌いではありませんが、
早朝散歩ができないことがあるのが問題です。

紫陽花の季節の始まりです。
仙人がこの1週間ぐらいで撮り集めたものです。

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              紫陽花 雪の下科 開花時期 6月初旬~7月中順

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                  花言葉 辛抱強い愛情 元気な女性

花言葉はこの露にも負けず美しく咲くからでしょう。
こうありたいもの。
およばずながらkiyoiも元気だそう。


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花の色が生えている土の酸性度によって変わり、リトマス試験紙とは逆で、酸性の土では青、アルカリ性の土では赤い花が咲くようです。

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では和歌5首。

   あじさいの 八重咲くごとく弥(や)つ代にを        万葉集  
               いませ我が背子みつつ偲はむ    橘諸兄

   紫陽花を花櫛したる頭をば 
             傾けてなげく夕ぐれ          与謝野晶子

   美しき球の透視をゆめむべく
            あじさいの花あまた咲きたり      葛原妙子

   なほ生きむわれのいのちの薄き濃き
           強ひてなげかじあぢさゐのはな       斉藤史

   森駆けてきてほてりたるわが頬を
             うずめんとするに紫陽花くらし    寺山修司


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  では俳句を3句

                    紫陽花や藪を小庭の奥座敷         芭蕉

        紫陽花に秋冷いたる信濃かな        杉田久女 
 
        紫陽花やはなだにかはるきのふけふ     正岡子規 

縹(はなだ)もしくは縹色(花田色)とは、明度が高い薄青色のこと。後漢時代の辞典によると「縹」は「漂」(薄青色)と同義であるとある。花色、月草色、千草色、露草色などの別名があり、これら全てがツユクサを表している。Wikipediaより


この季節湿度が高く気温の上下が激しく、体調管理の難しい時期、
どうかご自愛ください。


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プロフィール

kiyoi08

Author:kiyoi08
ご訪問ありがとうございます。
お立ち寄りいただけましたら、狂喜乱舞します。
統合失調症患者ですが、巫女だともいわれます。
現実と幻覚のあわいを行きます。
よろしくお願いします。
 

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